いきなりで申し訳ないが、この記事には何も有益な情報などない。
28歳の海外旅行好きなただの会社員が1人でふらっと箱根に行き、観光地などどこにも行かず特段誰かと話すこともなく、大きなトラブルに遭うこともなく、ただただ客室露天風呂付き旅館に癒されたというだけの話である。
しかしながら今回の旅行には一つ大きなミッションがあった。
それは「旅行中会話する人を5人以下に抑えよう」という難易度低そうなもの。
新型コロナウイルスのおかげで
旅行=悪
という数ヶ月前までは全く予想していなかった状況になっている中での旅行、確かにこの状況下での宿泊を伴う移動は多少のリスクはあるかもしれないが、それらを出来るだけ抑えて旅行を満喫しようと決めたのだ。
今回はそんな″新時代の旅行様式″などと呼ばれる旅行をしてみた話である。
といっても実際は今まで海外旅行でしていた旅行スタイルと特に大きな違いはなかったのだった。
目次
旅行中会話する人5人以下チャレンジ
旅行中会話する人をとにかく減らそうというこのミッションのルールはこんな感じだ。
千葉県民ワシ来週の1泊2日箱根温泉旅行で”旅行中会話する人5人以下チャレンジ”をするため独自ルールを決めたでござる。
・車で寄り道せず旅館と自宅往復
・温泉は客室露天風呂オンリー
・食事は部屋で済ませる
・旅館外への外出無し以上でござるが冷静に考えたらわりといつもこれでござった。
— GENKI@一人旅会社員 (@weekendtrip_gk) July 18, 2020
このミッション、結論から言ってしまうと見事に失敗に終わった。
″はいorいいえ″だけの会話も含めると最終的に8名の方と会話をしたのだった。
内訳は以下の通りである。
- 駐車場スタッフの方
- エントランスからフロントまでの案内係の方
- フロントの方(チェックイン手続き)
- フロントから部屋までの案内係の方
- ホテル外の食堂の方
- 朝食案内係の方
- ホテル内ギフトショップのスタッフさん
- フロントの方(チェックアウト手続きの方)
- 駐車場スタッフの方
あれ?9人ですね。
まぁ細かいことはどうでもいい、ではなぜ成功しなかったか説明しよう。原因は2つ。
- 日本がおもてなし大国であることを忘れていた
- そんなおもてなし大国が誇るハイクラス旅館に泊まった
以上
念のため言っておくと、話かけてほしくなかっただとか話たくなかっただとか過剰接客だだとかそんな事を言いたいわけではない。
それはそれは過去に類を見ないほどに手厚い接客をしていただき本当に心地よく快適であった。
冷静に考えてこれはハイクラス旅館ほぼ未経験な私の世間知らず故のミスである。
きっと自動チェックインや自動チェックアウトなどを導入しているビジネスホテルチェーンであれば会話する人1人で終わったかもしれない。
いざノンストップで箱根へ
では旅行シーンを書いていこうと思う。
前述のルールにもある通り一切の寄り道は許されない。
たとえトイレ休憩も禁止だ。
限界がきたら最悪漏らそう
勝手に自分で決めたルールをストイックに守る私は、そのような心持ちで自宅近くの自販機で飲み物を購入し車へと乗り込み一路箱根へと向かう。


助手席にはなぜか国内外どこ行くでも持ってきてしまう(安全旅行の願掛け的存在)プーと後部座席には中身スッカスカの海外旅行用の相棒スーツケースのクラさんが乗車。どちらも久しぶりの旅行にいい顔してやがる。
行きは高速道路で向かうことにした。
首都高から東名高速道路、東名高速道路から小田原厚木道路、そして東海道を通るルート。
ビュンビュン飛ばして走る車を見て「みんな俺みたいにどこにも寄らずに移動チャレンジしていて、トイレに行きたいがために急いでるのかな」などと1人思いながら安全運転で走る。
ドライブも終盤の東海道・箱根湯本駅辺りには沢山のお土産屋さんが並び、私が大好きな梅干し屋さんや干物屋さんなど気になりすぎる店舗が何度も目に飛び込んできたが、今回は大きなミッションを完遂しなければならないため心を鬼にして通過。
そうして片道2時間ちょっとのドライブは一瞬で終わった。
今回の旅の主役「天悠」に滞在
今回の旅行の目的は温泉にゆったりと入ることである。
しかしながらこのご時世、いくら旅館側が徹底的に対策を講じていたとしてもどうも不特定多数の方々と同じ風呂に入るというのは気が引けてしまう。
そこで選んだ旅館が今回宿泊する「箱根小涌園 天悠」

名前からしてすでにかっこいい天悠を選んだ理由は全室客室露天風呂が完備されているから。
また、久しぶりに日常を忘れられるような上品さ漂う温泉旅館に泊まりたかったというのもあった。
短い滞在ではあったが隅々まで洗練された館内や、客室露天風呂からの展望、丁寧な接客など天悠をしっかりと満喫することができぜひまた必ず訪れようと決めたのであった。
フロントというかラウンジなエントランス
温泉施設ユネッサンの隣に一際目立つ天悠が見える。

これは期待できる外観。

車止めでは係の方が荷物を下ろしてくださり、車もその場で降りて係の方が駐車してくれる。この時点で貴族気分である。
まさかそんなシステムだとは気付かず一瞬自分で駐車しようとしてしまい照れながらも、入館前のサーモグラフィによる検温と手のアルコール消毒をクリアし入っていく。

フロント前にはラウンジエリアが広がり、コーヒーやお茶を飲みながらゆっくりと過ごすことができる。
チェックインまで30分程度あったため館内を探索。

フロントは5階に位置しておりその他の階に客室や温泉などがある。
天悠自慢の大浴場は1日毎の男女入れ替わり制だそうで、山側にある浮雲の湯と谷側にある車沢の湯はどちらも人気だそうだ。
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箱根小涌園 天悠公式HPより引用
なぜにだそうだかって、利用していないからである。
本当は猛烈に利用したかった。
徹底的な消毒や対策をしているのも重々承知であり、風呂上りのポカポカ気分を漂わせながら浴衣で館内を歩く人を見るとそのまま行こうかと感じてしまうレベルだが、勝手に自分で決めたルールをストイックに守る私は心を鬼にして行くことをやめた(めちゃくちゃ後悔している)
そして1階にはスパやラウンジ、庭園が広がる。

庭園には滝が流れており、緑が溢れていて風が気持ちいい。
人も少なくここでもゆっくりと寛ぐことができる。
しかしゆったりとしていたら、浴衣を着たポカポカ気分のカップルが寄り添いながら登場したので1人で庭園に佇む不審者である私はそそくさと退散した。
快適すぎる客室露天風呂に唖然
まぁとにもかくにも部屋である。
私が滞在したのは9階に位置する最上階客室。
標準客室よりも天井が高いこの部屋の特徴はベッドの後ろにある″憩″というロフトのようなスペースと、最上階ならではの眺望である。

ちなみに天悠は谷側客室と山側客室に分かれているようで、私は山側の908号室だった。

なんとも美しい廊下を通り部屋に到着。

早速案内していただく。




はいはい最高最高。
たしかに天井が高く開放感がある。また、ベッド後方のスペースもなんかいい感じ。
そして大本命の客室露天風呂とご対面である。


これだよこれ…
箱根の山と空を眺めながら入る露天風呂。
しっかりと温泉が使われおり日頃の疲れが遠く彼方に飛んでいく。
ひぐらしの鳴き声がまたいいBGMとなり雰囲気を上げてくれる。

夜はこんな感じになる。
なんて雰囲気だ。
湯船に浸かりながら星空を眺めるだなんてそんな贅沢があるだろうか。
滞在中睡眠以外ではほとんど湯船か隣にある椅子に座りひたすら空を眺めていた。
ちなみに温泉はそのままだとかなり熱い。飛び上る熱さだった。

バルコニーに湯船があるため部屋内のシャワールームに湯船はない。

アメニティも充実しており、歯ブラシが4本もあったり綿棒が束であったりなんかもありがとうございました。

部屋に備え付けのドリンクセットに天のはる菓というお菓子があり、これがまたなんとも美味。
帰り際ホテル内のギフトショップでお土産として購入した。
マグロフライト定食と貴族朝食
さて食事だ。
ここで私は大きなミスをしていた。
普段食事など全く気にせずホテル予約する私は「朝あり・夕なし」プランを予約していたようで、チェックイン時にそれに気がついた。
「ご夕食はなしでご朝食ありのプランになります」「はい」などと冷静に会話をしたものの内心動揺を隠しきれなかったが、ないものは仕方がない。
急遽旅館周辺で美味しそうなお店を探したところ、一件の定食屋さんを見つけたので向かうことにした。
※この時点で旅行前に決めた食事は部屋で済ませるというのと旅館外への外出無しという独自ルールはなかったことになったのである。

全く人気のない道を10分ほど歩き到着した定食屋さんは二葉さん

これはローカル好きの私をワクワクさせてくれる外観である。
暖簾を潜り店内に入るとおばあちゃんが佇み、おば様がチャキチャキと動いていた。


ここで注文したのがイカの醤油バター炒めとマグロフライト定食である。
Twitterにあげたら誤字でマグロフライ定食がマグロフライト定食になっていたようで方々から突っ込まれたのでそのまま書いている。
まぁそんな事はどうでもよく、出された料理はどれも絶品。
濃い目の味付けで白米が進むイカの醤油バター炒めも、サクサク衣のマグロフライも、付け合わせのおしんこやパスタも全てが満点。
大きな声では言えないが、うっかり夕食なしプランでよかったと感じてしまったくらいである。

そんな二葉さんからの帰りに出会した風景があまりにも美しかった。
とはいうものの、朝食は旅館でいただけるため楽しみである。
朝食は朝7時からという事で、7時ぴったりにレストランに向かう。

まだ人が少ないレストラン内でメニューに目をやると、普段朝食はヨーグルト一つの私が食べ切ることができるか心配な量のお料理が書かれている。
しかし幸いにもメニュー名から料理が想像できるのがありがたい。
どうもこういったところに行くと、料理名がお洒落すぎてメニューを見ても疑問を持ち続けたまま料理を待つことになってしまうことが多いからである。
オレンジジュースを飲みながら待つこと数分、貴族の朝食のようなセットが運ばれてきた。

絶対うまいじゃん…
小難しいことをいうと内容が薄れそうなので省くがとにかく美味しかった。
またこの他に豆腐の豆乳鍋も出てきたが、それも絶品。
贅沢な朝食をいただき、次来たときは夕食をいただこうと心に誓うのであった。
そしてまたノンストップで帰宅
さてあっという間に帰宅の時が迫ってきた。

この日は生憎の雨であったが、貧乏性な私はチェックアウトギリギリまで温泉を楽しむ。
客室露天風呂から眺める雲海もまた情緒を感じられた。

そして部屋を出て、ギフトショップで部屋にあった天のはる菓をお土産として購入したくさんの従業員様方に見送っていただき少々照れながらも旅館を後にした。

無論隣にはこいつだ。相変わらずいい顔してやがる。
帰りは下道でこれもまた寄り道することなく約4時間の道のりをトコトコ帰る。
猛烈にトイレに行きたくなったがとにかく我慢で半ば修行のようであったが、無事大事には至らず帰宅できたのであった。
結論:新時代の旅行スタイルだって楽しいよ
さてあっという間にまとめだが、結論この旅行は楽しかった。当たり前である。
以前Twitterで「黙ってする旅行などなんちゃらら」というツイートが話題になったが、何も観光地に行き誰かと馬鹿騒ぎしながら過ごすことだけが旅行ではない。
もちろんそれは国内外問わずだ。
日常から離れゆっくりと自然を満喫したり非日常を味わうだけでも立派な旅行になる。
目まぐるしく状況が変わり、過去に類を見ないほど旅行への嫌悪感が高まる中、旅行好きにできる事はとにかく徹底的に対策した上で新たな自分なりの旅行スタイルを見つけていくこなのではないだろうか。
あっそうだ
この旅行は果たしてGo To Travelキャンペーンの対象になるのだろうか。
小難しいことはスルーしてしまったのでよくわからないが、もし適用さるのならまたその返金でどこかに行こうかと思う。
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