海外のKFCヲタクである私が中国東方航空で行く2泊5日エジプトでKFC食べよう旅の旅行記三部作の滞在編である。
出発編はこちら2泊5日エジプト旅行記【出発編】なので、まだの方はこちらから読んでいただけたら幸いである。
久しぶりの海外一人旅、息子が爆誕して初めての遠方一人旅、中国東方航空、初めてのアフリカ大陸ということでかなり構えて行った世界三大ウザい国の一国であるエジプトであったが、私が鈍感なのか運がよかっただけなのか″うざさ″はそこまで感じず、騒がしいクラクションと何かわからない匂いと熱気と混沌と適当さが心地よく、ぜひまた行きたい国となった。
この記事ではそんなエジプトに滞在した3日間についてまとめた。
今回の1番の目的であるKFCはもちろん、ピラミッドエリアや考古学博物館、街歩きからUber等に至るまで旅中の全てを書いていくため、些か長くなるがお手隙の際に読み進めていただけたら幸いである。
3日間をざっとまとめると以下のような行動となった。
1日目:AM11:30宿着→ピラミッド+ギザ周辺
2日目:ザマレク+ダウンタウン+イスラム地区+ハンハリーリ市場
3日目:ギザ→AM10:00宿発
丸一日使えるのは2日目のみでかなり駆け足で忙しないが、結果的には5日間で十分楽しめるエジプト旅となった。
ではいってみよう!!
【滞在1日目】KFCとピラミッドとギザ周辺
11時30分頃にギザの宿に到着しピラミッドを部屋からチラ見しつつ荷物を整理し宿を飛び出す。
行き先は当然15時間かけてエジプトにきた目的のKFCである。
宿からお目当てのKFCへは徒歩で30秒ほど。
このためにこの宿にしたといっても過言ではない。
ちなみに今回宿泊した宿の詳細は以下の記事にてまとめてあるので気になる方は参考にしていただきたい。
【ギザ】Pyramids View Inn Bed&BreakFast宿泊レビュー【エジプト】

ここだここここーーーーー!!!!!!
ここに来る為にエジプトに来たのだ。
ウキウキしながら入店し、世界共通の頭上のメニューを見上げる。

まずはエジプトKFCのベーシックなチキンから食べなければ何も始まらない。
ということで、オリジナルチキン2ピースとポテトとバンズがセットのSNACK BOXを注文。
お値段は149EGP(エジプトポンド)で日本円にして約460円ほどである。安い。
そして女性店員さんの態度が悪いどころの騒ぎではなくたまらなくワクワクする。
Googleマップの口コミを見るとその店員さんの顔写真と動画付きの悪評がロシア語で書かれていたので、世界レベルの態度の悪さなのだろう。逆にすごい。
エジプトらしさを感じニヤニヤしつつ、座席に座り呼ばれるのを待つ。
ちなみにKFCがある建物の2階はピザハットとなっており、KFCは1階のみなので思いの外座席数は少ない。
また、1階のKFC店内からピラミッドは見えないためピラミッドを見ながら食べたいなら持ち帰りにしてどこか適当なところで食べた方が良いだろう。
注文から10分程度で呼ばれカウンターに取りに行くと、先の女性店員にシッシッと手で払われた。
過剰なまでに丁寧な接客を美徳とする日本は逆にこの彼女の自由さを見習うべきかもしれない。
しかし、店員さんが少し愛想がないだけでもブチ切れる類の日本人がこの接客を受けたら、怒りのあまり脳の血管がブチ切れて卒倒してしまうかもしれないと考えると、何事もいい塩梅がいいのだと思う。
まぁそんなことは置いといてエジプトKFCのオリジナルチキンとご対面である。


ザクザクバリバリな衣が多い海外KFCにしては珍しく、日本KFCに似たルックスである。
早速一口齧ると、日本と比べ塩味が濃いめで私的には好きな味付け。
肉は脂ギトギトとパサパサの間といった感じで食べやすく、サラサラと食べ進められてしまう。
ものの5分ほどで完食し、エジプトKFCの美味しさに希望を持てたところでお店を後にする。
15時間かけてエジプトに来た目的がギザ到着30分で達成された。
すでに大満足だが、私は今世界でも有数の観光地であるピラミッドの入り口の目の前にいる。
せっかくならピラミッドにでも触れておこう。
ということでピラミッドエリアへの入場券を購入する。


ピラミッドエリア入り口とチケット売り場はほんのりと離れており、周辺には海千山千の客引きがうじゃうじゃといる。
まずはこの客引きたちをフルで無視しながら正規の売り場へと向かう。
私が行った際(2025年9月15日時点)ではピラミッドエリアへの入場料は700EGPで日本円にして約2200円程度であった。
この他ピラミッド内部に入るのであれば別途追加でチケットを買う必要がある為注意が必要。
私は追加していないので料金は不明である。
ちなみに支払いはクレカのみで私はVISAタッチで支払った。
ピラミッドに限らずカイロ・ギザの主要観光地への入場料支払いは基本クレカのみのようだったので、特にVISAのクレカは用意しておいた方が無難かもしれない。
私自身まさかサブで持っていたちいかわエポスカードがエジプトで大活躍するとは思わなかった。
チケットを購入したら入り口へと向かう。
広大なピラミッドエリアに対して極端に狭い入り口なのだが、ここにもまた無数の悪質な客引き達が我々観光客を待ち受けている。
チケットを片手に入り口の建屋に入ろうとすると、横から来た男にチケットを奪われ「私は政府公式ガイドだ。案内する」などと首からぶら下げたそれっぽいIDカードを見せながら言われた。
もちろんこれは詐欺
大きな声で強くはっきりと拒否する必要がある。
ヘラヘラナヨナヨしながら拒否していたらあっという間に向こうのペースに引き摺り込まれる。
決して負けずチケットを奪い返そう。
そうすれば相手もわりとすんなりと諦める。
基本的にこの建屋に関しては元気に歩き回って観光客に一生懸命声をかける輩は全員ややこしいタイプだと考えて良い。
逆に椅子に座って気怠そうにしているのが、本来のここのスタッフである。
そんな気怠そうなスタッフにチケットを見せると、横目で見て手で進めと合図してくれるためそのままセキュリティチェックを通過し、チケット裏のQRをゲートにかざせば、晴れてピラミッドエリアに入場完了である。
が、しかし。
残念ながら入場直後のこのエリアにもラクダや乗馬を勧めてくる無数の客引きがいる。
とはいえ、二声三声話しかけてくる程度で、無視していればこちらの客引きもわりとすんなり引き下がるので用がなければ何も聞こえていないが如く無視する。
ここでまたニヤニヤヘラヘラと対応するともう終始ついてこられることになるので、顔も見ずに一切スルーでよい。
逆にラクダや馬に興味があるのであれば、ここで価格交渉してみてもいいと思う。
そんな客引きをスルーしながらピラミッドへ向けて歩いていく。

入場するとすぐスフィンクスが出迎えてくれる。
このスフィンクス本当は長い鼻があったらしいが、盗まれて無くなったらしい。
本当なのかは知らんけども。
というか、ピラミッド自体も諸説あり過ぎて何が何だかわからない感じであるので、私はとりあえず考えるな感じろ精神で歩いていた。
スフィンクス通り過ぎ、客引きをスルーしながらまだまだ歩く。
これは義理の母がくれた熱田神宮の旅行守り。
ちなみに私は9月に行ったため、気温は高かったものの風があり比較的過ごしやすかったが、真夏に行くと40度を余裕で超えてくるため、水分補給は絶対に欠かせない。
もし可能であれば日傘もあるといいかもしれない。
とはいえ、ピラミッド付近で日傘をさしていると他の見学者の邪魔になる可能性もあるため、その辺りは臨機応変に対応した方がよいだろう。
入り口からゆっくり歩いて10分程、ついにピラミッドの真下に到着。




振り返るとギザの街が広がっている。

ひとまずピラミッドにペシペシ触ったり見上げたり角度を変えて眺めたりする。
ちなみにこのエリアにもラクダ乗りなどの客引きはいるが、私的にはそこまでしつこいとは感じなかった。
とにかく広がる砂漠とピラミッドを風に吹かれながらゆっくりと眺め、古代エジプト時代の人々は何故こんな物作ったのだろうなどと考えるが当然答えなど出るはずもなく、幼い頃から教科書やテレビで見てきたピラミッドを間近に感じることができよかったな、という感じであった(薄い感想)
将来息子が古代エジプト文明に興味を持ったらまた改めてしっかり勉強してここに息子と共に戻りたいと思う。
ピラミッドエリア出口付近には無数のお土産売り場があり、ピラミッドの置物やらマグネットやらお香やらとにかくたくさん並んでおり誘惑が激しい。
そんな誘惑に負けついポーチを買ってしまった。
そんなこんなで約2時間程度ピラミッドエリア内を散策し満足したところで、一旦宿に戻って1時間程度休憩する。
なんせこの時点で36時間ほど寝ずに過ごしているので、無理をすると体を壊す可能性がある。
シャワーを浴びスマホの充電をしたところで散策再開。
腹が減るまでピラミッド周辺を歩く。
初めて来る国の初めての街歩きというのはいつも強烈なワクワクと少しの不安を持って歩く。
今回もそうで、小さな商店やお土産屋さん、横を通り過ぎる馬車、アラビア語の落書きやポスター、散乱するゴミと馬やラクダの糞尿の匂いにワクワクがとまらない。
ピラミッド付近は客引きが多いが、少し外れると当然そんなこともなくゆったりと歩く事ができる。
ミッキーとドナルドとアラビア語のミスマッチ感にニヤニヤしたりしながら歩いていたら、地元民で賑わうパン屋さんを見つけた。
看板もメニューもなく、店内には窯しかなかった。
気になるなぁと思いながらも気付いたら目の前にはピザがいた。
そう、KFCと同じ建物の2階にあるピザハットに来てしまった。
KFCに行こうと思っていたのに、あのローカルなパン屋を見たからか無意識のうちに2階に上がりピザを注文していた。
ちなみにここからはピラミッドを一望する事が可能だが、私が行った際はブラインドが下りていてピラミッドを見ながら食べる事はできなかった。
Mサイズのピザを貪るように食べて無事満腹となり宿へ帰る。
時刻は18時40分、部屋から夕焼けに照らされるピラミッドを眺める。
あまりにも美しく、飽きない。
KFCのためだけに来たつもりがすっかりピラミッドの魅力に取り憑かれてしまった。
1時間以上ぼーっと眺め、辺りは暗くなり今度は人工の光で照らされるピラミッド。
これはこれでまたよい。
ひとしきりピラミッドと古代エジプトに思いを馳せ、20時には気絶するように爆睡していた。
【滞在2日目】街歩きとKFCのご飯物とUber
さて、この日は唯一丸一日行動できる貴重な中日。
朝食開始の7時ちょうどに屋上テラスに上がる。
朝靄のかかるピラミッドが荘厳でこれまた息を呑む。
宿の朝食はビュッフェ形式。
揚げたてのファラフェルも頂きピラミッドを眺めながら朝食タイム。
あまりにもよい景色なのだが、今見返すと自身の朝食チョイスが壊滅的にセンスがない。
ビュッフェは苦手である。
部屋に戻り支度をしながらテラスに出ると、下の道を馬やラクダが仕事に向け続々と出勤している。
馬の足音が小気味いいが、よく見ると豪快に糞をしながら歩いていた。
ピラミッド前の道はエブリデイ糞まみれである。
本日の予定はザマレクにある雑貨店に行ったり、行けたら考古学博物館に行ったり、ハンハリーリ市場に行ったりなんかしようと決めていた。
早速宿を出て糞まみれの道でUberを呼ぶ。
マッチしない。
なぜ…
少し場所を変えてまた探す。
マッチした。よかった。と思ったのも束の間ドライバーからメッセージが来た
「Uberの料金は高速道路料金が反映されていないため現金30ドルです」
くそが…
これはエジプトあるあるだと知っていた。
Uberを介さず取引をして観光客からがっつり金をとるやつだ。
詳しくは以下の私のXポストをご覧いただきたい。
エジプトのカイロ・ギザならUber移動が基本になってくると思うのですが、これがまぁなかなかマッチしない。しても「現金30ドル」とかメッセージしてくるし、乗り込もうとすると「現金オンリー」とか言ってくるしで結構スムーズにはいかないので、エジプトでUber使う時の注意点を軽くまとめてみました!… pic.twitter.com/ZfQswSZ1q5
— GENKI@一人旅会社員 (@weekendtrip_gk) September 16, 2025
マッチしない→マッチしても現金取引要求→キャンセル→マッチしない→
これの無限ループで30分以上が経過。
これはピラミッド近くというこの場所がダメだと気付いた。
明らかに悪質なドライバーが集っている。
ということで、ひとまずカイロ方面へ歩くことにした。


Googleマップに道として表示されているものの、なかなか険しい道を歩く。
小さな商店を見たり。
地元民の足であろうローカルバスなんかもよく見た。

現役の貨物馬車なんかもいる。ロバかもしれない。



街中の壁の落書き?もアラビア語だとなんだか様になっていてかっこいい。
宿から50分程度歩いたところで大型洋服店を見つけたので涼みがてら入店する。
癖というものは怖いものでメンズフロアではなく無意識の内にキッズフロアへ向かっていた。
30分程度2歳の息子用の服を探してみたががあまり刺さるものがなく退店。
あまりにも街歩きが楽しく忘れていたが、私はUberを探して歩いていたのだ。
ここいらでもう一度Uberでドライバーを探してみる。
やはりマッチしなかった。
面倒くさくなってきたのでひとまず近くのKFCを探すと、すぐ近くにあることがわかったため向かう。


バスターミナルを通り過ぎたり、これまた雰囲気のよい商店を通り過ぎたり、大きなマンションを眺めたりしていたらあっという間に到着。

ここのKFC店内がとにかく清潔。
ピラミッド前のKFCとは比にならないほどに清潔である。
というか、今まで色々な国のKFCに行ったがその中でもトップクラスに清潔であった。
そしてやはり頭上のメニューに目をやる。
Rizoなるご飯ものらしきメニューを見つけたので、それとオリジナルチキン3ピース(スパイシー2・ノーマル1)・ポテト・バンズ・コールスロー・スプライトのセットをオーダーした。
ちなみに注文はタッチパネルで、支払いはカウンターにて現金払い。
タッチパネル入力後ピラミッド前店の店員さんとは到底比にならないほどに優しい店員さんが改めてメニューの確認をしてくれた。
店内綺麗だし店員さん優しいしこのKFCを宿にしたいくらいである。
注文から10分程度で到着。


いや…これ絶対に美味いやつ…
早速一口口に運ぶ。
ほら…超絶美味い…
チキン炊き込みご飯はしっかりとKFCのあの味が染みていてとにかく美味しいし、上にかかっているバーベキューソースとチキンを混ぜて食べてみたらもう天国…
KFCのご飯物は色々な国で食べたが、エジプトのRizoが私の中でダントツトップに躍り出た瞬間である。
海外KFCに興味のない方にもぜひエジプトKFCのRizoを食べていただきたい。
正直コシャリとか全然比にならない(と、思う。コシャリ食べてないから知らんけど)
あまりにも美味しく、あっという間に完食したところで思い出したようにUberを開きまたドライバーを探す。
即マッチ。
しかし油断はできない。メッセージが来るかもしれない。
構えていると、特にメッセージが来る気配もなく車は近くに来た。

いや、しかし乗車直前にごねるかも…なんて思いながら乗車すると特に何事もなく車は走り出した。
ドライバーは気のいい中年男性といった感じで、家族のことや仕事のことはたまたエジプトの交通事情のことなど会話が弾む。
道中彼が外を指差して見てくれというので見てみると
金具が朽ち果て、大きな鉄の塊となった後部あおりがバタンバタンと大きな音を鳴らしながぶら下がるダンプが高速道路を走っていた。
世紀末である。
指をさしながら「これがエジプトだ」と言いながらやれやれといった表情を浮かべる彼も、長年生きているエジプトの圧倒的にカオスな交通事情には辟易しているようだ。
たしかに、道に車線は書かれているものの特に守るわけでもなく抜きつ抜かれつのレースをしている者もピッピプップクラクションを鳴らし続けながら走っている者も多い。
下道は下道で渋滞がひどく交通状況は劣悪、そんな中でも安全運転に徹する彼はプロだと感じたし、降車時チップや追加金を要求するわけでもない辺りに実直さを感じた。
初めてしっかりゆっくりと話したエジプト人が彼でよかったと心から思いながら、しっかりと感謝のチップを支払わせていただいた。
降車したのはザマレク地区。
カイロとギザに挟まれナイル川に浮かぶ小さな島様なエリアで、おしゃれなカフェやゴルフ場、カイロタワーなどがある。
そんなザマレクに来た目的は一つ。




ここに来ること。
店内には洋服やカバン・雑貨が並ぶ、The SAHARA Collectionはどれも心に突き刺さる可愛らしくもオシャレなデザインで尚且つお手頃な価格なためついつい長居してあれやこれやと見てしまう。
もちろん店内の全てに値札がついており、価格交渉の必要などないため安心してゆっくりと買い物することができる。
自分のTシャツ&ポーチと息子氏用のTシャツ2枚を購入した。
本当はもっともっと欲しいものがあったが、グッと堪えた。
今思うと全て買っておけばよかったと後悔。
店を出て考古学博物館があるカイロダウンタウンエリアへと徒歩で向かう。
風が心地いいナイル川沿いをひたすら歩き、考古学博物館近くの橋を渡る。
こうしてみるとカイロは大都会である。
広い割に車線のない橋。
お店から歩くこと約1時間半でエジプト考古学博物館に到着。
ここは敷地に入る前と博物館入場前にセキュリティチェックがある。
入場料はクレカ支払いのみであった。
ここエジプト考古学博物館にはツタンカーメンのマスクがあったりするわけだが、ギザにできた大エジプト博物館に展示物を移動しているようで、館内はところどころ抜けていたがそれでも見応えは十分あった。
ちなみにツタンカーメンのマスクのみ撮影は禁止である。
考古学博物館に関していうと、ガイドさんがいた方がより深く楽しめると感じた。
1人だと正直わからんですはい。
日本語ガイドさん羨ましいなぁなんて思いながら、ぐるりと回って1時間程度で博物館を後にし、ハンハリーリ市場のあるイスラム地区方面に向けて歩く。
まるで秋葉原のような電脳街的なエリアではLEDや配線等がたくさん売られていた。
ハンハリーリ市場に近付くにつれ、カオスさが増す街並み。


無数の雑貨屋・香水屋・スパイス屋・商店・屋台・何が何だかわからない店。
車やバイクや大きな台車はもはや体に触れながら動いており、人も押せや押せやの大混雑である。
しかし、カオスこの上ない雰囲気がたまらない。
そんな雑踏をニヤニヤしながら歩いていると、ハンハリーリ市場らしきエリアに着いた。
お土産屋さんや洋服店等が狭い路地に所狭しと並ぶハンハリーリ市場は、カイロでも有数の観光スポットとして世界中から観光客が集まる。
日本人団体ツアー客も多くいた。
そんなハンハリーリ市場をひたすら歩く。
たしかに観光スポット感は否めないが、この雰囲気は実にいい。
右に曲がって見たり左に曲がって見たり、来た道を戻ってまた戻る。
一人旅だからこそできる身勝手な街歩き、これだから一人旅はいい。
会社の同僚に「ベタなお土産が欲しいわ。ピラミッドのキーホルダーとか」なんて言われていた事を思い出し、事前に調べて良さげだったJordi bazar shopへ向かう。
ハンハリーリ市場内の土産物売り店は基本値札がないが、ここは値札があり値段交渉の必要はなく価格もお手頃で非常におすすめである。
しかし、場所がわかりにくい。
CAMEL BAZARと書かれた看板の隣にある階段を登り2階に上がるのだが、写真は撮り忘れた。
まぁ上記Googleマップ辺りを歩いていれば見つかると思うので、冒険だと思って頑張ってほしい(投げやり)
という事でJordiにてお土産を購入し、またふらふらと歩きながら夕暮れ時のハンハリーリ市場を出る。
当然ながら大渋滞のど真ん中であるハンハリーリ市場付近でUberが捕まるわけもなく、ひとまずギザ方面に向けて歩く。
魅力的な路地やカラフルな建物。
Uberが捕まらないのもまた街歩きのきっかけとなり良いものである。
ハンハリーリ市場をでて歩く事40分、無事マッチしたので車に乗り込む。
「現金払いにして欲しい」
なるほど、そう来たか。
とはいえようやくマッチしたドライバーだし、ドライバー歴は約6年で送迎回数も多く評価も高い。
何より悪い人間には見えず、シンプルに現金がほしい人といった雰囲気であったため、自分の直感を信じてみる事にした。
Uberと同じ料金の200EGP、日本円にして約600円である事を念押しし車は出発。
Uberをキャンセルし、ドライバーのスマホに直接行き先をセットする。
寡黙なドライバーは特に何かを喋るわけでもなく静かに車を走らせる。
途中何度も渋滞に巻き込まれながら、約20Kmの距離を1時間以上かけて目的地に到着した。
私「200EGPだな?」
ドライバー「YES」
自分の直感は当たっていた。
本当にただ現金で払って欲しい人だった。
渋滞の中黙々と走ってくれたし、それによって追加金をせびるわけでもない彼に少し多めにお支払いして降車した。
結局エジプト滞在中利用したUberのドライバーは皆悪い人間や嫌な人間はおらず、気さくな方や寡黙な方、どうにかコミュニケーションを取ろうと頑張ってくれる人など、ものすごくいい人ばかりであった。
その数十倍マッチしてすぐUber上で高額な現金を要求してくる者もいたわけだが、今回出会ったドライバー達のおかげで快適な移動ばかりとなった。
結論としては、エジプトのUberに関してはドライバー歴が長く送迎回数も多く評価が高いドライバーはある程度信頼して良いと感じた。
時刻は夜7時、まだ2回目だが最後の夕焼けに照らされるピラミッドを眺める。

昨日エジプトに来たばかりだがもう最終夜、会社員が限られた休日を使ってする週末海外というのはいつだって忙しない。
気に入って好きになった頃にはもうその地を去らなければならないのだ。
「そうだ最後の晩餐をしなければ」ということでホテルを飛び出して向かったのはもちろんKFC
今回は店内ではなく、持ち帰りにしてホテルでピラミッドを眺めながら食べることにした。
エジプト旅最終夜、ピラミッドをバックに食べるKFCは今まで食べたKFCで最も美味しかった。
またエジプトにこのRizoを食べに来たい。
【滞在3日目】最後の足掻きと宿出発
最終日の朝、この日は10時にホテルを出て空港へ向かう。
起床してひとまず荷物をまとめて朝食を食べて、チェックアウト前に街歩き。
糞やらなんやらまみれで臭い道ともお別れ。
ここに住んでいる人たちは明日もここでいつもと変わらない朝を迎えるのだろうが、その頃には私は日本の快適な新築のマイホームでパパである。
何度も言うがこれが週末海外である。
忙しないがエジプトに来れてよかった。
最後の足掻きである短い散歩を終え宿へ戻る。
最終の荷物確認をして、ロビーへ降りてチェックアウトする。
ここのスタッフはいつも顔を合わせる度に「問題はないか?」「楽しいか?」と気にしてくれていた。
この宿のおかげで快適なエジプト旅行になったといっても過言ではない。
またエジプトに来る時はここに宿泊したいし、今後エジプトに行く人にはぜひこの宿をお勧めしたいと思う。
予約通り宿前で待っていてくれたタクシーに乗り込み空港へ向かう。


ピッピぷっぷと鳴り響くクラクションも、車窓から見える茶色い街並みもすっかりお気に入りになってしまった。
台湾のように頻繁には来れないけれど、今回の心残りをエジプトに置いておきまた回収しに来よう。
そんな事を考えていたらカイロ国際空港に到着した。
帰国編に続く……