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コロナ禍週末台湾旅行記【花蓮滞在編】

一つのツイートから突如始まった1泊4日超絶弾丸寝不足確定週末台湾旅行、この記事はその旅行記第二弾【花蓮滞在編】である。

第一弾の台湾入国編を見ていないという方は、そちらに突如台湾旅行をすることになった顛末などが書かれているので、第一弾からお読みいただくとわかりやすいかと思う。

 

コロナ禍週末台湾旅行記【入国編】

 

長編(台湾入国編・花蓮滞在編・羅東&台北滞在編・台湾出国編の四部作)となることが予想されるので、ぜひお手隙の間に暇つぶし程度に読んでいただけたら幸いである。

ちなみにこの旅行記に有益な情報はほとんどない。

ただただ三十路既婚社畜リーマン3年ぶりの台湾一人旅の様子を、ダラダラと綴っていくだけなので、その辺りだけご承知おきいただけたら幸いである。

また、この記事は80枚以上の写真と共にお送りするので、できれば通信環境の良い場所から閲覧することをおすすめします(笑)

 

ではいってみよう!!

乗客2名のバスで桃園空港から羅東へ

台北・桃園空港に深夜1時過ぎに到着し、旅程を考えたり映画を観たりしながら時間を潰すこと5時間弱、やっとバスが動き出す時間となった。

朝一のバスで羅東(ルオドン)まで行き、そこから台鐡に乗り換え花蓮を目指す。

 

バス乗り場にて羅東行きのチケットを購入し、セブンイレブンで購入したおにぎりとコーヒーで腹ごしらえをする。

3年3ヶ月ぶりに美食の国台湾に来て1発目の食事がこれというのも、我ながらおかしいとは思うが台湾で食事ができているという事実だけで幸せなのでこれはこれでOKである。

 

出発時刻となりチケットを確認してもらってバスに乗り込む。

2席・1席の座席配置となっており、座席指定はない。

また、車内にトイレはなくまぁまぁ寒いので必ず乗車前にトイレを済ませ、羽織るものを持って乗ることをおすすめしたい。

最初1席に座ったが乗客は私含め2名だったため、2席部分に座らせてもらった。

 

空港を出て街中へ出るバス、景色はもうしっかりと大好きな国台湾である。

流れゆく景色は飽きることはない。

道中高速道路なども走るが、通勤ラッシュなのか渋滞しており景色がなかなか変わらぬ事もあったがそれでも飽きないのが台湾のいいところ。

しかし、座席にあるUSBポートで全く充電ができず、困惑しながらも目的地羅東へ到着した。

 

ちなみに桃園空港からここまで3時間20分。

成田-台北間のフライト時間と同じである。

1時間半くらいかと予想していたら倍の時間がかかり驚いたが、きっと通勤ラッシュに巻き込まれていたからだろう。

なんせトイレが近い人は心して乗った方がいい。

 

【シンプル解説】桃園空港〜羅東へバスでの行き方【乗車券購入〜乗車方法】

桃園空港から羅東へバス移動については、こちらの記事で書いているので気になる方はチェックしてみてほしい。

絶景の車窓を眺めつつ羅東から花蓮へ

羅東に到着したが時刻はもう昼前、本来であれば羅東で小籠包の一つでも食べておきたかったが、そんな時間もないのでバスターミナルから徒歩1分程度の台鐡羅東駅へ足早に向かう。

台鐡羅東駅はスーツケースを抱えた国内旅行客であろう人々で多く賑わっている。

羅東駅の券売所は窓口と券売機があるが、慣れていなかったり言葉がわからないとどうしても窓口に行きがちだが台湾であれば券売機に一直線に向かってかまわない。

 

なぜならオール日本語で購入手続きを進める事ができるから。

1mmのハードルもなく、旅中はドMになるような旅人からしたらつまらなく感じるかもしれないが、何事もスムーズに進む台湾旅はやはり心地がいい。

 

無事花蓮行きのチケットを手に入れ月台(ホーム)へ向かう。

圧倒的に長いホームはどこに立って待っていればいいかわからなくなるが、上に赤数字が書かれた小さな案内表示があり、それが号車を表しているので自分の乗る号車番号付近で立っていればいい。

 

乗車率8割程度の車内は国内旅行客で賑わう。

車内もどこか日本で見慣れたようなデザインである。

 

朝から曇天続きであったが、ふと外に目をやると真っ青な空と海が広がっていた。

美しい……

台湾東部を走る台鐡東部幹線はこの景色が見所で、これもやはりバス同様見飽きることのない車窓である。

 

美しい車窓を眺めること約50分、バスとは違い絶好調のUSBポートでスマホも十分充電する事ができ意気揚々とした状態で、賑わう花蓮に到着。

 

ずっと来たかった花蓮、天気も晴れて気持ちも昂る。

早速スーツケースを転がし宿方面へ向け花蓮の街を歩いていく。

 

【シンプル解説】羅東から花蓮へは台鐡一択【乗車券購入〜乗車方法】

台鐡乗車についてはこちらの記事でも解説しているので、気になる方はこちらをチェックしていただきたい。

花蓮街歩きと食い倒れ

花蓮の街は駅を降りて早々に魅力が溢れ出す。

そして真っ先に目に入ったのが、扁食の文字。

これは繁体字でワンタンという意味で、ここ花蓮はワンタンが有名な地なのだ。

 

当然扁食以外にも明らかに美味いであろうお店と看板が並ぶ。

このために台湾到着後セブンイレブンのおにぎりしか食べず、胃の容量を空けておいたのだ。

 

花蓮香扁食

という事でまずは一食目、ワンタン料理の名店花蓮香扁食にて扁食スープを頂く。

プルプルの扁食が最高に美味い……

 

黒店師魯肉飯

続いて2食目黒店師魯肉飯にて魯肉飯を食う。

不味いわけがないのである。

 

火力鶏肉飯

そして間髪入れずに3食目、魯肉飯を食べたら次は鶏肉飯である。

薄味と見せかけて実は鳥油香る濃い味な鶏肉飯は、日本でも絶対に流行ると思うのだ。

【週末台湾】2日間で食べた食事まとめ【花蓮・羅東・台北】

ちなみに花蓮を含め台湾旅行中に食べたものはこちらの記事にまとめているので、気になる方は合わせてこちらもご覧いただけたら嬉しい。

 

「ひとまずこの辺で勘弁してやろう(ただ腹が膨れただけ)」と、街歩きを続行する。

台湾らしい街並みが青空に映える。

花蓮到着までは寝不足でどうなることかと思ったが、ここに来たらそんな心配は一瞬にして消え失せる。

花蓮、いい街だ。

 

スーツケースを引いているにも関わらず花蓮の街並みに足が止まることはなく、到着し既に3時間近く歩き回っている。

花蓮駅から宿まではほぼ一直線で普通に歩けば30分程度だが、あちこち寄り道しすぎて一向に宿に到着する気配がない。

 

艾迪生咖啡館Edison Coffee

しかしさすがに歩き疲れたので、カフェへ入る。

おしゃれな店内では一人の学生さんが勉強をしているだけで、他にお客さんはおらずゆったりとした時間が過ぎる。

アイスコーヒーを啜りながらひと休憩付き、やっとしっかりと宿へと向かう。

 

今回予約したのはここ有人旅宿。

1泊3,000円という破格だったのと、夜市などが近かったことからここを選んだ。

しかしここがなかなかトリッキーなチェックイン手続き方式だったのだが、書くと長くなるので以下記事を見ていただけたら嬉しい。

【花蓮旅行】有人旅宿宿泊レポ【1泊3,147円】

 

客室はこんな感じになっていて、寝る分には何の文句もない部屋である。

しかしホテル滞在も優雅に楽しみたい系の旅好きには1mmもおすすめすることはできない。

 

松園別館で日本と台湾の歴史を感じる

宿を早々に出て再度街へ繰り出す。

スーツケースは無いし、シャワーを浴びてスッキリだしで旅がリセットされた感じ。

まず向かうのは日本統治時代に高級将校用招待所となっていたという、松園別館へ。

 

入り口手前にある受付にて入場料を支払い、チケットとパンフレットをもらい中に入る。

まず目に入るのはこの建物で、松の木に囲まれていることもありここが台湾だという事を忘れさせるような光景。

 

またメインの建物の他に木造の建屋もあり、ここは元々士官の集会所として使われていたそうで、終戦後はここで日本軍指揮官が自害したとのこと。

この部屋の中央(写真奥上部)には当時天皇陛下の写真を置くための神棚が今も残されている。

修復前の損傷が激しく、松園別館内でも最も大きな改修が行われたというこの場所だが、やはりどこか空気は重く厳かなエリアであった。

 

ここ松園別館は神風特攻隊が出陣する際に天皇から賜った「御前酒」を振る舞われ、この周辺で出陣を待っていたとの事で、神風特攻隊に関する事も多く展示されていた。

その中でも防空壕体験はかなり強烈に印象に残るものだった。

 

この防空壕体験では実際に防空壕へ入り、身をもって当時の雰囲気を感じる事ができる。

 

防空壕内はこのようになっており、狭く暗い中には神風特攻隊に関する資料が多く展示されている。

 

当時の写真や資料はまるでここが日本かのように思えるようなものばかりで、日本と台湾の歴史を強く感じる。

また防空壕内では日本語の音声記録なども流れているので、目を瞑って座っていると心が震えるはずだ。

 

また最も大きな建物の中では売店やカフェ・フォトスタジオなどがあり、ここから見る景色はまるで日本庭園を眺めているかのような感覚になる。

 

松園別館から望む花蓮の街を、当時の日本軍はどのような気持ちで眺めていたのだろうか。

花蓮の大型夜市とKFC

松園別館を後にし、夕暮れ時の花蓮を歩く。

やはり台湾は朝と夜が活気があって歩き甲斐がある。

フルーツショップも圧倒的に映えている。

 

ただの看板さえも……とんでもない魅力が詰まっていると思うのは私だけだろうか。

さて、すっかり陽も沈んだところで台湾といえばな夜市へと向かう。

花蓮には大きな夜市が集まるエリアがある。

 

どこからどこまでがどの夜市なのかはいまいちわからないが、台北などの大型観光夜市と比較すると人出は少なめで見やすい。

 

どのお店も色とりどりで見飽きることはないし、客の呼び込みもマイルドでゆっくりと夜市を満喫できるのも嬉しいところ。

臭豆腐の香りも漂いつつ、美味しそうな炭焼きの香りも漂っていた。

 

またこのようなくたびれたゲーセンらしきものも多く、少し気になってしまう。

ひとしきり散策し、何も食べることなく夜市を後にする。

「えっ夜市で何も食べないの??」と思う方もいるだろう、だが私には台湾旅行以前に海外旅行において現地の食事よりも優先すべき存在があるのだ。

 

そう、ケンタッキーフライドチキンである。

KFC台湾 KFC台湾

私自身色々な国でKFCを食べるのが好きなのだが、日本と同じチキンが出てきたことは今の所ない。

今回はスパイシーチキン2ピースとポテト、ドリンクは7UPをチョイスし、単品でエッグタルトを注文。

一口頬張るとそこはもうユートピア

ザクザク食感の衣が肉汁たっぷりのチキンを包み、ザクザクとジューシが口の中で踊っている。

エッグタルトも当然美味しく、あっという間に完食である。

家族連れで賑わう店内で日本から来た旅行者である私は、一人台湾KFCを満喫しにやにやするのであった。

 

KFCのボリューム感に胃をやられながら、夜の花蓮を歩く。

人通りは少ないものの、街全体が明るく不安になることはない。

台北などとは少し違った雰囲気の花蓮はやっぱり良い。

スーパー探索と自分へのお土産

宿の近くに大きなスーパーがあったため、立ち寄ってみる。

店内は日用品から食料品、おもちゃまで何でも揃っており、異国のスーパーマニアの私にはズンズン響く。

 

マジックリンって魔術靈と書くのか……

台湾で使われる簡体字は絶妙に読むことができるし、日本でよく見るものが感じで表されているのをみるのは実に面白い。

 

調味料棚も舐めるように見てしまう。

このスーパーでは会社へのお土産に、お決まりのパイナップルケーキを買った。

帰国後同僚に渡したところラスト一個を巡ってじゃんけん大会が開かれるほどに人気で、嬉しかった(笑)

 

そして自分へのお土産にスーツケースに貼る用のステッカーも購入。

既に台湾ステッカーは多く貼ってあるが、やはり買わずにはいられない。

 

宿に戻りうるさくなったスーツケースを眺めながらぼーっとする。

と、ここで気付いたのだがこの部屋テレビがない。

何かが足りないと思ったが、逆にそれもまたいい。

それに近所のカラオケの歌声がはっきりと聞こえてきて、静まり返っている訳ではないので全く苦にはならなかった。

大衆食堂で素敵な会話、そして羅東へ

結局前夜のカラオケは23時頃には静かになり、私も気付いたら寝ていた。

途中電源を入れていないエアコンがバンバンうるさかったり、途轍もない大雨で起きたりもあったがよく眠れた。

台湾旅行2日目(実質最終日)も朝から行動し、花蓮→羅東→台北そして桃園空港へ向かう予定だ。

スーツケースを引いて宿を出ると、外は雨模様。

しかし雨に濡れる花蓮の街もまた良い。

何が起きても魅力的に見えてしまうのだから困る。

 

周家蒸餃

雨の中スーツケースを引いて向かったのはここ。

花蓮小籠包名店の一つ、周家蒸餃である。

 

周家蒸餃

早朝から地元民が行列をなすここは、カウンターに蒸籠が積み上げられておりほかほか湯気からは小籠包の香りが漂っている。

 

周家蒸餃

注文したのは当然小籠包、ここの小籠包は皮が厚めで日本でいう肉まんのような雰囲気。

しかし一口頬張ると中からは肉汁がたっぷりと出てきて美味い。

一瞬にして完食し、花蓮駅へと進む。

 

ホクホク気分で花蓮駅手前を歩いていると、昔ながらの大衆食堂が目に入る。

楊記扁食

とはいえ小籠包を食べた後だしスルーしようとしたところ、店前のテーブルに座る店員さんと思しきおじちゃんおばちゃんに呼び込まれる。

何を言っているかはわからないが、気付いたら店内にいた。

楊記扁食

一切触れられてすらいないのに店内に吸い込まれるこの力、魔術を使われたようにすら感じてしまうが、この店内がまた実にいい。

先ほどまで外のテーブルでお茶を啜っていたおばちゃんが手際よく白米を茶碗によそっている。

注文から1.2分で出てきたのはこちら。

楊記扁食

魯肉飯である。

これがまた美味い……

楊記扁食

そして席から見える景色はこれ。

先ほどまで厨房に立っていたおばちゃんはまた外のテーブルに座りお茶を啜っている。

そんな姿を眺めながら1杯30元(約140円)、プラスチックの茶碗に盛られた魯肉飯を食らう。

これだ、魯肉飯ってのはこういう食べ物なのだ。

近年日本で流行っている魯肉飯はお洒落な丼に盛られ、なんだか色々なものがのり、一杯1,500円くらいで売られていて、どうも違和感があった(それはそれで美味しいのだけど)

花蓮最後の食事にここを選んでよかったなとしみじみと感じながら立ち上がり、おばちゃんに「謝謝〜好吃(ハオツー)」と伝える。

すると笑顔のおばちゃんに「リーベンレン?」と聞かれた。

リーベンレンとは中国語で日本人という意味で、おばちゃんは大きなスーツケースを転がす私を日本人と見抜いたようだった。

「Yes」と答えると、おばちゃんは笑顔で「ありがとう」と日本語で言った。

私も「ありがとうございました」とお辞儀をし、笑顔で別れる。

 

私自身日本国内でよく聞く台湾は親日という言葉はあまり興味がないというか、親日だろうが親日ではなかろうが、台湾という国が世界で一番好きだという思いがある。

しかし、たった1日ちょっと花蓮の街を歩いているだけでも台北や高雄よりも確かに多く「日本人であるが故に歓迎されているな」と感じる事があった。

それは何も猛烈に大々的に歓迎されているという訳ではないが、日本語でありがとうと伝えてくれたりそういった小さくも心がぎゅっとするような歓迎が嬉しかった。

 

そんな事を思いながら花蓮駅舎から花蓮の街を眺める。

あまりにも短い滞在ではあったが、花蓮を感じる事ができて本当によかった。

次はゆっくり来るつもりなので、それに向けた下調べ的な滞在だったと思おう。

 

羅東行きのチケットを購入し、北上する電車が到着するホームへと向かう。

 

電車に乗り込むと帰りは山側の座席であった。

行きの海側も素敵だったが、山側もなかなか素晴らしい景色が広がっている。

山々を眺めながら次は台湾山間部に住む原住民の村へ行き宜蘭クレオールに触れたいなと、妄想しつつあっという間に羅東駅に到着したのだった。

 

コロナ禍週末台湾旅行記【羅東・台北滞在編】へ続く……